*Novel's map*
◎・・・・連載
*・・・・成人向け(タイトル横)R18以上はPASS制
*・・・・成人向け(タイトル横)R18以上はPASS制
・紫陽花 #3
【高×土 ◎】
総督と副長の日常デート第3弾。
第二弾から続き、騒がしい街から離れた路地裏。
雨上がりの湿った道沿いに紫陽花が咲いていて、人目のつかない場所に来たのはいいが2人の心にも隠れていた心の隙間が出てきて互いに無口になってしまう。
でもただなんか怖かっただけなんです。多分キツネリスがナウシカを怖がっていたあのときみたいに・・・!でもそんな2人をぬこによって急に加速する。・・・っていうようなわかりにくい説明。。
しばらく歩いて、人気の少ない通りに出た。
まだ街の騒音が耳の奥に残っている。
あれだけ大量の音に囲まれていたのだから無理もない。
しばらく歩き続けて、ふと隣の高杉を見る。
あまりにも静寂すぎると思った。
それは人気のない通りに出たからなのか、
高杉自身のことだからなのか。
普段から無口だとは知っていても、先程からお互い何も喋っていない。
さっきは、凄く嬉しそうだった。
ほんの数十分前に、高杉の気持ちが嬉しくて、
そのときは笑顔で互いに向き合えていたはずだ。
そして今、何を考えているかと思って目向けてもこちらを向こうとしない。
顔の半分と巻かれている布で覆われたその表情をこちらから読み取ることはいつも困難だった。
道は続いていて、足もなんだか重く感じた。
通りを歩く者は数える程となり、
しばらく振りと静寂が二人を迎えたが、高杉も土方も黙ったままだ。
本当は、高杉のことが気になる。
けれどそうだと素直に言えないのはまだなにかが足りないから、という気がしている。
それが何なのかまだわからない。
片目を布で巻いた過去に実際何があったのかは聞かされていない。
その過去も関連する言葉も高杉自身、口を割らなかった。
土方も知りたいと強く思う以外の事は聞かない達だった。
他人に言えない過去ぐらい誰だって持っているはずだ。
他人、という言葉を思うとそこに自分が入っているのか、それすらなんだか聞けずにいた。
それに、別にそこまでの深い関係になったわけではないからだ・・・と、ずっと自分に言い聞かせていた。
時折高杉は、ただ虚ろな目を見せている事があった。
それに土方が気づいている、ということすら高杉に言った事も他人に口を告げたこともない。
それに自分の言葉を投げかけてもたまに届いていないこともあった。
だからこうして高杉が黙ったままの時や、会話が途切れたとき、隣にいるはずの土方は自分が見えていないんじゃないかと思うようになって、・・・そこにはいろんな不安があった。そしていつも同じ気持ちになった。
人の波もいつの間にか消え、気づけば狭い路地を歩いていた。
此処がどこに繋がる道なのかもわからず、ただ進む。
先程からの会話はもちろん、ない。
知っている街のはずだったが、もうこの道の記憶などなかった。
その重たい雰囲気に声を掛けることすら恐れてしまう、何かに怯えるようなこの感覚。
「・・・?なんだ」
共に歩みを進める高杉は、靴音が聞こえなくなったと隣をみて土方がいないと知り、すぐ後ろを振り返る。
土方はただその場で俯き顔を見せない。
湿ったコンクリート。
周りは喫茶店や飲み屋。シャッターは閉まっている。
傍には薄群青色の紫陽花。露に濡れている。
静寂に包まれたその空間に土方の声が高杉に響いた。
「なあ 高杉・・・。俺と居て・・・、楽しいか」
突然の問いに高杉はただ驚いた表情のまま、
静かに口を閉ざした。
車の通りもなく、人すら見せない街の片隅。
しばらく沈黙が続いた。
そこはとても静かで人の記憶と同じ、忘れられてしまうような路地。
冷たい雨の湿った路地裏。
2人の傍らを1匹の猫が通る。
首についた鈴が揺れて、俯いた2人に一声かけ、土方の足元に絡みついた。
「・・・邪魔だな」
ぐるると喉を鳴らし、尻尾を高く持ち上げて足の隙間を八の字に行き交う。
キャラメル色の大きな縞の尻尾が目立つ。
「なんなんだこの猫・・・」
土方が邪魔だと足を広げても尚体を摺り寄せて甘えている。
「狗にも猫が懐くのか」
高杉は皮肉のつもりなのか、そう言って笑った。うるせェよ、と返して片足をあげ追い払おうと試みるが軽々と猫に避けれてしまう。
そうすると高杉はククク、と笑って返し
土方は笑われたことにムッと来たがいちいち相手をしてもいられない。
しょうがないと、土方が手を伸ばして抱きかかえると嫌がりもせず嬉しそうにぐるると喉を鳴らす。
毛並みの心地よさと首についた黒い首輪にどこかで飼われている猫だとわかった。
「お前どこから来た?」
「人懐っこいやつだな」
顎の下を撫でてやると長い尻尾をくねらせて土方の手をじゃれ付き甘える。
飼われている者以外の人間にも慣れているらしく元より人間を恐れることをしない。
土方が構うと喉からの鳴き声も一段と大きくなり、意外にもすっぽりと腕の中に収まったままでいることがとても可愛く思えて、小さな額を撫でてやる。
猫は気持ちよさそうに目を細めて、
尻尾を大きくくねらせた。
静寂な路地裏で、
土方の笑いが響いている。
そんな土方を見ながら高杉はこれまでの緊張がやっと解けた気がして、肩の力が今までよりも軽くなった気がした。
・・・自分は何に緊張していたんだろうか。
この路地に来るまでの土方との距離感は重たかった。ずっと隣にいたはずだったが、凄く遠くにいるようなそんな感じだった。
猫と触れ合いながらなんだか楽しそうな土方の笑顔で、ふと浮かんだ。
土方がこんなにも笑って話す事が自分とはあったのか?
数分前に言われてはっと身が固まって体が冷たくなっていくあの感じ。
土方の言葉と、今までの自分の行動を思い返すと、後ろめたさからあのまま黙って返してしまったことを後悔した。
だがあれは、その場の雰囲気を壊すことに恐れを為してしまった自分の逃げでもあった。
猫を抱いた土方の綻ぶ顔を見たことで、
・・・きっかけなんてなんでも良かったのだ。と気づかされた。
意外にも、簡単なことだった。
土方、・・・と名を呼んで、こちらを向いた土方に触れる。
・・・名前なんか久しぶりに呼ばれた気がして
なんだかその時は、とても緊張した声だと思った。
「土方」
自分の名前を耳にして、土方には重く冷たく聞こえていた。
今までずっと名前は呼ばれていたけど、
こんなに重たく呼ばれたことはなかった。
そこに高杉の気持ちが入ったとわかった。
和んでいた雰囲気が一瞬として変わり、
それを察知したのか抱かれていた猫はするりと地面へ下りてどこかにいってしまった。
土方が猫を確認しようと高杉から目を逸らした時、自分を壁に押さえつけられ、その衝撃で体のバランスを崩した。
思わず驚きの声をあげてしまった。
バランスを崩した体は、ひやりと冷たい壁の感触がして、それと同時に押さえつけられた痛みも加えられる。
しかし自分の腕を救われて驚きで出そうとした声を口で、遮られた。
何が起きたのかすぐには理解できなかった。
時の流れが、止まった気がした。
―――何も言わないその態度が怖くて
ずっと恐れを抱いていた。
「ん・・・」
暖かさと優しさを感じた時、ようやくこれはキスされているのだと理解した。
土方の視界から消えた高杉はそのまま抵抗を見せない土方の顔や頬、首に口付けを繰り返し、土方は恥ずかしながらもその行為に甘えた。
・・・不思議だった。
なんだかずっと思っていた中の気持ちが、
蟠りが、一瞬で晴れた気がする。
先程と同じように抱かれていた猫みたく、
土方の腕にすっぽりと埋まる高杉を愛しさから
抱きしめ返して、土方は思う。
小さな路地の街の片隅。
紫陽花の葉に溜まる雨の残り雫が、
偶然にも猫の額に落ちる。
猫は落ちてきた雫を見上げると、
土方が高杉に抱かれて愛されている姿を映し
声を抑えるかのように甘えた声で鳴いた。
第二弾から続き、騒がしい街から離れた路地裏。
雨上がりの湿った道沿いに紫陽花が咲いていて、人目のつかない場所に来たのはいいが2人の心にも隠れていた心の隙間が出てきて互いに無口になってしまう。
でもただなんか怖かっただけなんです。多分キツネリスがナウシカを怖がっていたあのときみたいに・・・!でもそんな2人をぬこによって急に加速する。・・・っていうようなわかりにくい説明。。
しばらく歩いて、人気の少ない通りに出た。
まだ街の騒音が耳の奥に残っている。
あれだけ大量の音に囲まれていたのだから無理もない。
しばらく歩き続けて、ふと隣の高杉を見る。
あまりにも静寂すぎると思った。
それは人気のない通りに出たからなのか、
高杉自身のことだからなのか。
普段から無口だとは知っていても、先程からお互い何も喋っていない。
さっきは、凄く嬉しそうだった。
ほんの数十分前に、高杉の気持ちが嬉しくて、
そのときは笑顔で互いに向き合えていたはずだ。
そして今、何を考えているかと思って目向けてもこちらを向こうとしない。
顔の半分と巻かれている布で覆われたその表情をこちらから読み取ることはいつも困難だった。
道は続いていて、足もなんだか重く感じた。
通りを歩く者は数える程となり、
しばらく振りと静寂が二人を迎えたが、高杉も土方も黙ったままだ。
本当は、高杉のことが気になる。
けれどそうだと素直に言えないのはまだなにかが足りないから、という気がしている。
それが何なのかまだわからない。
片目を布で巻いた過去に実際何があったのかは聞かされていない。
その過去も関連する言葉も高杉自身、口を割らなかった。
土方も知りたいと強く思う以外の事は聞かない達だった。
他人に言えない過去ぐらい誰だって持っているはずだ。
他人、という言葉を思うとそこに自分が入っているのか、それすらなんだか聞けずにいた。
それに、別にそこまでの深い関係になったわけではないからだ・・・と、ずっと自分に言い聞かせていた。
時折高杉は、ただ虚ろな目を見せている事があった。
それに土方が気づいている、ということすら高杉に言った事も他人に口を告げたこともない。
それに自分の言葉を投げかけてもたまに届いていないこともあった。
だからこうして高杉が黙ったままの時や、会話が途切れたとき、隣にいるはずの土方は自分が見えていないんじゃないかと思うようになって、・・・そこにはいろんな不安があった。そしていつも同じ気持ちになった。
人の波もいつの間にか消え、気づけば狭い路地を歩いていた。
此処がどこに繋がる道なのかもわからず、ただ進む。
先程からの会話はもちろん、ない。
知っている街のはずだったが、もうこの道の記憶などなかった。
その重たい雰囲気に声を掛けることすら恐れてしまう、何かに怯えるようなこの感覚。
「・・・?なんだ」
共に歩みを進める高杉は、靴音が聞こえなくなったと隣をみて土方がいないと知り、すぐ後ろを振り返る。
土方はただその場で俯き顔を見せない。
湿ったコンクリート。
周りは喫茶店や飲み屋。シャッターは閉まっている。
傍には薄群青色の紫陽花。露に濡れている。
静寂に包まれたその空間に土方の声が高杉に響いた。
「なあ 高杉・・・。俺と居て・・・、楽しいか」
突然の問いに高杉はただ驚いた表情のまま、
静かに口を閉ざした。
車の通りもなく、人すら見せない街の片隅。
しばらく沈黙が続いた。
そこはとても静かで人の記憶と同じ、忘れられてしまうような路地。
冷たい雨の湿った路地裏。
2人の傍らを1匹の猫が通る。
首についた鈴が揺れて、俯いた2人に一声かけ、土方の足元に絡みついた。
「・・・邪魔だな」
ぐるると喉を鳴らし、尻尾を高く持ち上げて足の隙間を八の字に行き交う。
キャラメル色の大きな縞の尻尾が目立つ。
「なんなんだこの猫・・・」
土方が邪魔だと足を広げても尚体を摺り寄せて甘えている。
「狗にも猫が懐くのか」
高杉は皮肉のつもりなのか、そう言って笑った。うるせェよ、と返して片足をあげ追い払おうと試みるが軽々と猫に避けれてしまう。
そうすると高杉はククク、と笑って返し
土方は笑われたことにムッと来たがいちいち相手をしてもいられない。
しょうがないと、土方が手を伸ばして抱きかかえると嫌がりもせず嬉しそうにぐるると喉を鳴らす。
毛並みの心地よさと首についた黒い首輪にどこかで飼われている猫だとわかった。
「お前どこから来た?」
「人懐っこいやつだな」
顎の下を撫でてやると長い尻尾をくねらせて土方の手をじゃれ付き甘える。
飼われている者以外の人間にも慣れているらしく元より人間を恐れることをしない。
土方が構うと喉からの鳴き声も一段と大きくなり、意外にもすっぽりと腕の中に収まったままでいることがとても可愛く思えて、小さな額を撫でてやる。
猫は気持ちよさそうに目を細めて、
尻尾を大きくくねらせた。
静寂な路地裏で、
土方の笑いが響いている。
そんな土方を見ながら高杉はこれまでの緊張がやっと解けた気がして、肩の力が今までよりも軽くなった気がした。
・・・自分は何に緊張していたんだろうか。
この路地に来るまでの土方との距離感は重たかった。ずっと隣にいたはずだったが、凄く遠くにいるようなそんな感じだった。
猫と触れ合いながらなんだか楽しそうな土方の笑顔で、ふと浮かんだ。
土方がこんなにも笑って話す事が自分とはあったのか?
数分前に言われてはっと身が固まって体が冷たくなっていくあの感じ。
土方の言葉と、今までの自分の行動を思い返すと、後ろめたさからあのまま黙って返してしまったことを後悔した。
だがあれは、その場の雰囲気を壊すことに恐れを為してしまった自分の逃げでもあった。
猫を抱いた土方の綻ぶ顔を見たことで、
・・・きっかけなんてなんでも良かったのだ。と気づかされた。
意外にも、簡単なことだった。
土方、・・・と名を呼んで、こちらを向いた土方に触れる。
・・・名前なんか久しぶりに呼ばれた気がして
なんだかその時は、とても緊張した声だと思った。
「土方」
自分の名前を耳にして、土方には重く冷たく聞こえていた。
今までずっと名前は呼ばれていたけど、
こんなに重たく呼ばれたことはなかった。
そこに高杉の気持ちが入ったとわかった。
和んでいた雰囲気が一瞬として変わり、
それを察知したのか抱かれていた猫はするりと地面へ下りてどこかにいってしまった。
土方が猫を確認しようと高杉から目を逸らした時、自分を壁に押さえつけられ、その衝撃で体のバランスを崩した。
思わず驚きの声をあげてしまった。
バランスを崩した体は、ひやりと冷たい壁の感触がして、それと同時に押さえつけられた痛みも加えられる。
しかし自分の腕を救われて驚きで出そうとした声を口で、遮られた。
何が起きたのかすぐには理解できなかった。
時の流れが、止まった気がした。
―――何も言わないその態度が怖くて
ずっと恐れを抱いていた。
「ん・・・」
暖かさと優しさを感じた時、ようやくこれはキスされているのだと理解した。
土方の視界から消えた高杉はそのまま抵抗を見せない土方の顔や頬、首に口付けを繰り返し、土方は恥ずかしながらもその行為に甘えた。
・・・不思議だった。
なんだかずっと思っていた中の気持ちが、
蟠りが、一瞬で晴れた気がする。
先程と同じように抱かれていた猫みたく、
土方の腕にすっぽりと埋まる高杉を愛しさから
抱きしめ返して、土方は思う。
小さな路地の街の片隅。
紫陽花の葉に溜まる雨の残り雫が、
偶然にも猫の額に落ちる。
猫は落ちてきた雫を見上げると、
土方が高杉に抱かれて愛されている姿を映し
声を抑えるかのように甘えた声で鳴いた。
スポンサードリンク